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今月のよろずニュース

新設「労働契約法」がスタート

労働契約法とは?

新設された労働契約法は、昨年(平成19年)11月の臨時国会で可決・成立し、今年3月1日から施行されています。

この労働契約法は、従来の労働基準法と区別される民法の特例法として、雇用のルールを明確にするという点に特色があります。そしてこの法律は、個別の労働関係の安定と就労実態に応じた均衡の考慮、仕事と生活の調和への配慮などを目的としており、ポイントは以下のとおりです。

ポイント1.労働契約は労働者と使用者が対等の立場で
 締結・変更する

労働契約は、労働者と使用者が対等の立場で合意し締結または変更します。そして使用者は、労働者に提示する労働条件及び締結し、または変更した後の労働契約の内容について、労働者の理解を深めるようにします。

さらに、労働者と使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たってはこれを乱用してはいけないとともに、労働契約の内容についてできるだけ書面により確認します。

ただし、就業規則がある場合は就業規則に定める労働条件が労働契約の内容となります。

したがって就業規則に定める基準に達しない労働契約の部分は無効となり、その部分は就業規則で定める基準によります。

ポイント2.労働契約の変更には合意が必要

労働者と使用者は合意によって労働契約の内容である労働条件を変更することができます。しかし使用者は、労働者の合意なしに一方的に就業規則を変更し、労働者の不利益になるような労働条件の変更をしてはいけません。

ただし、次に定める要件を満たす場合は労働契約の内容は変更後の就業規則に定めるものとします。

  1. 変更後の就業規則を周知する。
  2. 変更が合理的である。

合理的であるかどうかは、以下の点から総合的に判断することになります。

  • 労働者の受ける不利益の程度
  • 労働条件変更の必要性
  • 変更後の就業規則の内容の相当性
  • 労働組合等との交渉の状況

ポイント3.出向や懲戒・解雇に権利の乱用はダメ

出向や懲戒・解雇において権利の乱用となるのは以下のとおりです。

  1. 出向:
    その必要性が対象労働者の選定などからみて権利の乱用となることがあります。
  2. 懲戒:
    労働者の行為の性質及び態様などからみて客観的合理性を欠くとき権利の乱用となります。
  3. 解雇:
    客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき権利の乱用となります。

ポイント4.有期労働契約についての留意点

有期労働契約については、以下の点に留意する必要があります。

  1. やむを得ない事由がないときは、その契約期間が満了するまで労働者を解雇できません。
  2. 必要以上に短い期間の労働契約を定めることによって、労働契約を反復更新しないよう配慮します。
労働契約

労働契約法に違反したら?

労働契約法の内容について個別の紛争、不服があった場合はどうすればよいのでしょうか。

労働契約法は民法の特例法で罰則はありませんが、労働基準法に違反する場合は労働基準法で罰せられます。

また、労働基準監督署が直接罰則を与えるといったことはありませんが、調停の方法を教えてくれます。そして個別紛争の調停については、都道府県にある地方労働局、地方労働委員会、あるいは地方裁判所が受け付けることとなります。


企業が対処すべきポイントは?

労働契約法に対して、企業はまず以下のような対処が必要となります。チェックしましょう。

(1)就業規則を整備し、その内容を周知徹底しよう・・・・・・・・・・・□

 実質的な労働契約の内容であり、企業内におけるルールの根幹である就業規則をこの際見直し整備する必要があります。必要な労働条件について、変更等を行う場合は労働者と合意できるように努力したうえ、その内容を充分周知徹底させなければなりません。

(2)非正規社員等とは個別の労働契約を必ず締結し書面にしよう・・・・・□

 非正規社員については、個々の労働条件が異なるため当然に個別の労働契約を締結しなければなりません。また正社員にしても、特約事項などがあれば明確にしておく必要があります。そして、個別の労働契約についても必ず書面にしておかねばなりません。

(3)権利の乱用をしないように充分気を付けよう・・・・・・・・・・・・□

 例えば、就業規則の不利益変更の場合に、許される場合として「労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合などとの交渉の状況など合理的なものであるとき」を条件としていますが、この「合理的な」という抽象的な表現を拡大解釈して権利の乱用を行ってはいけません。また出向、懲戒、解雇における場合も権利の乱用に気を付ける必要があります。

(4)有期労働契約の反復更新にも限度があると知ろう・・・・・・・・・・□

 正社員よりも期間の定めのある非正規社員の労働契約について、労働契約の期間を短くして更新を何回も繰り返すということがあります。労働契約法では更新の反復が何回までと決められていませんが、判例にみるように限度はあります。また、有期雇用の労働者についても解雇の際の解雇予告は当然必要であるし、雇い止めにおいても雇用終了の3ヶ月前までの予告が必要となります。
 

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